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楢葉町

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避難指示解除に係る町長メッセージ

公開日:2015年09月05日

避難指示解除に係る町民へのメッセージ

 本日平成27年9月5日午前0時に、楢葉町に出されていた避難指示が解除されました。

 これを受け、楢葉町長から町民の皆様へメッセージがございます。
 どうぞ、ご覧ください。

楢葉町民の皆様へ

 あの日、あの時、平成23年3月11日は忘れることができません。穏やかだった私たちの暮らしを奪い去った、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故により、翌3月12日から、全ての町民が避難を余儀なくされました。

 この4年以上にわたる避難生活は、言葉に尽くしがたい辛苦の日々でありましたが、本日9月5日午前0時をもって、楢葉町に出されていた避難指示が解除され、町で止まっていた時計の針が再び動き始めたところであります。

 振り返れば、平成24年8月の警戒区域見直しや、昨年5月の「帰町の判断」について、大変悩み考え抜いた末に決断をいたしましたが、この決断があったからこそ、除染やインフラ復旧、生活環境の回復が加速し、復興や再生を前進させることができたと考えております。

 また、今年4月から準備宿泊が開始されて以降、住宅の再建やリフォームなど、帰還に向けた準備が町内の至る所で目にするようになりました。本日を契機として、そのスピードはいっそう加速していくものと期待をしております。

 しかしながら、原子力災害により大きく失われた安全・安心に対する信頼は、そう簡単に回復できるものではありません。一方、4年以上にわたる避難生活により、町民の健康維持や、地域が築き上げてきた大切な文化や伝統、コミュニティが失われるなどの弊害もあり、避難生活の更なる長期化は決して望ましいものではございません。

 そのため、町では復興計画に「安心できる生活環境の回復」、「生活再建支援策の充実」、「住み良い魅力あるまちづくり」の3つの重点施策を掲げ、まずはかつての原風景を取り戻すと共に、「新生ならは」の創造を目指して、全町を挙げて取り組んできたところであります。

 避難指示の解除は、一つのステップではありますが、ようやく復興のスタートラインに着いたに過ぎません。まさに本日、そのスタートをようやく切ることができました。私たちが目指すべきゴールは様々ございますが、町民が安心して、心豊かに暮らすことができる環境を整備することが、その一つの形であると考えております。

 現状は決して十分ではなく、更なる努力が求められていることは言うまでもありません。町だけではなく、町民の皆さんと協力しながら、新たなまちづくりに取り組んでいきたいと考えております

 今、楢葉町は全国から注目されております。日本がこれまでに経験したことのない困難や苦悩を乗り越え、笑顔があふれる美しいふるさと楢葉を取り戻し、さらには楢葉町が歩んだ軌跡が、後に続く自治体の道しるべとなるよう、必ずや復興を実現させるべく全力で取り組んでまいることをお約束いたします。

 そして本日、このような式典を開催することができるまでには、国内外から、個人、団体を問わず多くの方々から心強いご支援をいただいたことを忘れることはできません。私たちに手を差し伸べていただいた全ての皆様方に心からの感謝と御礼を申し上げるとともに、これからの楢葉町が歩む道を温かく見守っていただきますようお願いいたします。

  平成27年9月5日

楢葉町長  松本幸英