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平成31年第3回3月楢葉町議会定例会町長施政方針説明要旨

公開日:2019年03月07日

平成31年3月7日

 平成31年第3回3月楢葉町議会定例会の開催にあたり、各議案の審議に先立ちまして、私の町政運営に対する基本的な考え方と主要な施策の概要を申し述べます。

 東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故から間もなく8年、避難指示の解除から3年半が経過いたしました。これまでの間、本庁の復旧・復興に対しまして、議会議員の皆様、そして町民の皆様に、多大なご理解とご協力をいただいておりますことに、改めて心より御礼を申し上げます。

 本町は、昨年3月に仮設住宅等の供与が終了するという大きな節目を迎えました。町民の皆様に生活の再建をお願い申し上げるとともに、県と連携しながら、意向調査や仮設住宅への戸別訪問等を実施してまいりました。この結果、概ね順調に町民の皆様に生活再建をしていただくことができたと考えております。そして、町民居住者が増加し、2月末現在で、3,657人、居住率が52.6%まで回復してまいりました。
 また、北田中満地区の「笑ふるタウンならは」においては、待望の商業施設「ここなら笑店街」と交流館「ならはCANvas」がオープンし、買い物環境が大きく向上するとともに、新たな賑わいが生まれております。更に、町内外からの移住・定住の受け皿として商業施設の北側に分譲宅地を整備し、販売を開始いたしました。
 そして、双葉郡はもとより、福島県の復興のシンボルであるJヴィレッジが再始動し、今後の交流人口の拡大に大いに期待しているところであります。

<平成31年度の町政運営の基本的な考え方>

 このように、町民の皆様が安心して町に戻ることができる環境整備を第一に進めるとともに、街に戻った方々が、暮らしやすい町づくりに全力で取り組んできたところであります。
 これまでの取り組みを持続させながら、平成31年度は、以下の3つを重点施策として町政を運営してまいりたいと考えております。

 1つ目は「健康づくり」であります。
 現在、町内に居住する方の多くが高齢者であり、高齢者の皆さんに元気で生き生きと過ごしていただくことが、町全体の元気、復興に向かう大きな力になると考えておりますので、町民の皆さんの健康づくりに力を入れてまいります。

 2つ目は「教育の充実」であります。
 町内居住者が増加している一方で、子供の数が少ない状況であり、多くの方に「楢葉町で子どもに教育を受けさせたい」と思っていただけるよう、引き続き、日本一の教育環境を目指し、町独自の取組みを進めてまいります。

 3つ目は「農業の再生」であります。
 基幹産業である農業の再生なくして楢葉の復興は無いと常々申し上げているとおり、農業者の皆さんの営農再開を支援し、農地の集積と農業経営の効率化を進めるとともに、サツマイモを中心とする新たな作物への挑戦を継続して実施してまいります。

<平成31年度予算編成にあたって>

 続きまして、平成31年度予算編成について申し述べます。
 本庁の財政状況は、国の支援等により財政指標は概ね健全な状況を確保しておりますが、人口の減少が見込まれることや、産業の再生が未だ途上であること、町民の生活再建の観点から各種減免措置を継続する必要があることなどから、自主財源の大きな伸びは期待できないものと予測されます。また将来的に、福島第二原子力発電所の廃炉が決定された場合の町財政への影響等を考慮し、引き続き、健全な財政運営に努めていかなければならないと考えております。
 その一方で、町民の更なる帰還促進と人口回復のためには、震災前以上の行政サービスを提供していかなければならないと考えており、復興に資する事業には、国からの交付金等に加えて基金も積極的に活用し、大胆に投資を行っていくことも必要であると考えております。

 以上、申し上げたことを踏まえながら、平成31年度予算案を編成し、一般会計予算の総額は、119億3,600万円となり、前年度より19.8パーセントの増となっております。
 また、特別会計は5会計で、29億4,897万5千円となり、全会計では、148億8,587万5千円の予算規模としたところであります。

<平成31年度主要事業>

 それでは、新年度の主な事業や取り組みについて、楢葉町復興計画の主要施策の区分に沿って御説明申し上げます。

 はじめに、「暮らしやすさを追求する」取り組みであります。
 竜田駅周辺の開発について、平成32年6月の橋上駅舎完成に向けて、駅前広場や東西通路の整備を進めてまいります。また、竜田駅西側につきましては、引き続き住民参加型のワークショップを開催しながら、まちづくりを進めてまいります。
 教育について、今年度から実施している中学校のキャリア教育に力を入れるとともに、放課後・土曜日等の学習支援、産学官連携によるプログラミング教育、ICTを取り入れた最先端の教育など、町独自の取組みを継続的に展開してまいります。
 町内での薬局開設を求めるニーズに応えるため、関係機関と協力し、薬局の整備を進めてまいります。
 子育てに関する様々な相談の窓口として、「子育て世代包括支援センター」を役場内に開設いたします。
 町内の買い物環境を支えるため、昨年オープンした「ここなら笑店街 をしっかりと運営してまいります。
 交通手段の確保のため、町内のタクシー補助制度を継続して実施いたします。また、各地区と商業施設を結ぶ「お買いものバス」を継続して運行いたします。
 町内で再開した事業者の支援と商業の活性化のため、一昨年、昨年と好評をいただいている「プレミアム付商品券」を引き続き発行いたします。
 高齢者の孤立防止と介護予防のため、各行政区で地域ミニデイ等を引き続き開催してまいります。

 続いて、「これまで・現在とは違う新しさを目指す」取り組みであります。
 4月にオープンする「ならはスカイアリーナ」を最大限有効に活用し、町民の健康増進はもとより、浜通りエリアの広域的な利用や事業所の利用も促進し、スポーツと健康づくりの拠点を目指してまいります。
 4月に全面再開を控えるJヴィレッジと連携し、様々なイベントを実施するとともに、Jヴィレッジ駅の駅前広場の整備や、道の駅ならはの営業再開など、Jヴィレッジ周辺エリアの活性化を図り、交流人口の拡大に努めてまいります。
 交流館についても、これまで以上に町内外の多くの方々が集い、交流する拠点となることを目指し、更なる利活用を図ります。
 基幹産業である農業の再生のため、営農再開の支援と農業基盤整備を進めるとともに、4月に落成式を迎えるカントリーエレベーター等の稼働により、効率的な農業経営をサポートしてまいります。
 また、新たな農作物への挑戦として、サツマイモの産地化を目指し、栽培面積を30haまで拡大するとともに、新たにサツマイモの生産を行う農業生産法人を立ち上げ、農業モデルの確立を図ってまいります。 若い世代の町内への定住を促すため、新婚世帯に補助を行う「結婚新生活支援事業」、楢葉町に住宅を取得した子育て世帯等への「子育て世帯等住宅取得奨励金」の支給を継続するとともに、新たに、東京圏から企業等に就業する方に補助を行う「移住支援事業」を展開してまいります。
 サマーフェスティバル、あるこう会、イルミネーションなど、恒例となったイベントを引き続き開催し、町の賑わいづくりと情報発信に努めてまいります。 再生可能エネルギーの推進のため、町内の施設に再生可能エネルギーを積極的に導入し、スマートコミュニティの構築を進めてまいります。

 続いて、「更なる安全・防災を目指す」取り組みであります。
 町の防災体制を強化するため、町内の事業者等に機能別消防団員への協力を促し、町民の安全・安心の確保に努めてまいります。
 町内での車両通行量の増加に対応し、道路ネットワークの確保を図るため、中満・天神岬線をはじめとした町道の改良を進めてまいります。
 森林が有する多面的機能を維持しながら放射性物質の低減及び飛散防止を図るため、原発事故により荒廃した森林の再生を進めてまいります。
 町内の安全確保のため、特別警戒隊によるパトロールを継続するほか、イノシシ等鳥獣被害防止の捕獲事業を引き続き実施いたします。

 続いて、「絆を保ち、被災生活を乗り切る」取り組みであります。
 町内居住者が5割を超えた現状を踏まえ、震災以前のような行政区のつながりを再生していくため、行政区による広報紙配付等を実施してまいります。
 様々な事情で、今なお町外で生活する町民とのつながりを維持するため、広報紙の送付を継続してまいります。
 地域コミュニティ再生のため、行政区や民間団体が行う地域活動を支援する「心の復興事業 を継続してまいります。

 続いて、「安心して暮らせる環境を作り出す」取り組みであります。
 除染廃棄物について、平成31年度は約15万立方メートルの搬出が予定されておりますが、残る廃棄物についても速やかに搬出するよう環境省に求めてまいります。また、特定廃棄物埋立処分事業の安全確保に万全を期すよう求めてまいります。
 放射線モニタリングや仮置場の監視を継続して行い、放射線に対する安心の確保に努めてまいります。

<結びに>

 以上、平成31年度の主要施策の概要について説明させていただきました。

 復興・創生期間の終了まであと2年となり、これからの1年1年が極めて重要であると認識しております。政府は、「福島の復興が成し遂げられるまで、国が前面に立って全力を尽くす」と明言しておりますが、この復興・創生期間内にできることを全てやりきるスピード感をもって取り組まなければならないと考えております。  
 ここで新しい楢葉町の礎をしっかりと築かなければ、10年先、20年先、更には廃炉作業が完了する数十年先の明るい町の姿を描くことはできません。  
 子どもたちが、楢葉で生まれ育ったことを心から誇りに思えるような町を残し、次の世代に引き継いでいく責任が我々にはあると強く感じております。
 そして、本町は全町避難をした自治体で最初に避難指示が解除され、いわば双葉郡の復興のモデルタウンとしての位置づけもございます。後に続く町の希望となるためにも、復興のフロントランナーとして、全力で走り続けていくことが求められております。
 行政、町民、事業者など、町内で生活する、あるいは事業を営む全ての人たちが、「オール楢葉」として、復興という1つの目標に向かって力を合わせていかなければ、そのゴールにたどり着くことはできません。
 「新生ならはの創造」を目指して、挑戦し続けていくことが私に課せられた使命であるとの覚悟を持ち、町職員が一丸となって、ふるさと楢葉の復興・再生に取り組んでまいりますので、議会議員の皆様、そして町民の皆様のご支援、ご協力をいただきますようお願い申し上げまして、私の施政方針とさせていただきます。

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